【Blender 2.8】水着を作ろう!

季節が夏の終わりの気配を漂わせ始めましたが、水着を作っていきます。クロスシュミレーターで飾りリボンを垂らす変形をしてみたり、ハイポリからベイクしたノーマルマップで皺の表現を行ってみたり色々実験しました!

スポンサーリンク

水着の形状をモデリングする

今回はビキニを作製していこうと思います。肌と接する部分をシュリンクラップで作成し、その後で肌から浮く部分を繋いで調整します。

シュリンクラップモディファイアーで水着をモデリングする

水着オブジェクトにモディファイアーの「シュリンクラップ」を追加して、ターゲットの項目に体のオブジェクトを指定して、水着を作製する際に体に沿ってメッシュを形成できるようにして作っていきます。

体の頂点からコピーしてきても良いですし、リトポロジーのように平面から作成していっても良いと思います。体と頂点の形成が近い方が、後々水着の内側を消して体と繋ぐ作業などを行うときにスムーズに行く事があるかと思います。

シュリンクラップモディファイアーの設定で、オフセットを「0.01」にして体のオブジェクトと水着の間隔を少し空ける事で、肌が水着を貫通してこないようにしています。

モードは「ターゲットの法線で投影」、「サーフェイスの外側」を指定しています。アドオンの「Bsurfaces」を使用する場合は自動で設定されます。

肌と接する部分の水着の形状が整ったら、シュリンクラップモディファイアーを適用します。

肌と接しない部分の調整

シュリンクラップモディファイアーを適用したら、水着の胸元中央部分を肌から浮くようにメッシュを繋ぎます。

その後で、頂点の並びを平均化して徐々に肌に接するように調整して違和感をなくします。

手動で行うと大変かもしれないので、アドオンのBsurfacesで「リラックス」の機能を使うと楽です。

飾り紐、結び目のモデリング

基本的な水着の形状はできましたが、このままでは寂しいので飾り紐、結び目を追加していきます。

ベジエカーブオブジェクトでリボン作成

オブジェクトのベジエカーブを使って結び目と飾り紐になるリボンを作製してみます。

「オブジェクトモード」→「追加」→「カーブ」→「ベジエ」からベジエカーブを追加します。

リボンの真ん中部分を作ってみます。プロパティのカーブ設定部分で「深度」の値を0.01mにして厚みを付け、「押し出し」の値を0.04mにして幅を広げてあります。

ミラーモディファイアーも追加してY、Z軸で対象化する事で1/4部分作製する事で真ん中に穴の開いた形状を作製します。

ベジエカーブをもう一つ追加して、先程作成したリボン中央部の穴が通っているように見える形状で輪を作ります。

カーブプロパティの深度はお好みで良いと思います。自分は中央部分以外は0にしました。

さらにもう一つベジエカーブを追加し、中央部分の穴を通っているように垂れ下がってる部分を作ります。

カーブの二頂点を選択し、Wキーのショートカットで「細分化」する事でカーブの起点となる頂点を増やせるので、対象の頂点を選択してAlt+Sキーで幅を変更する事ができるので、好きな形状にします。

ベジエカーブの調整が終わったら、オブジェクトモードにして「オブジェクト」→「変換」→「カーブ/メタ/サーフェス/テキストからメッシュ」を選択してベジエカーブをメッシュに変換します。

物理演算のクロスシミュレーターでリボンを変形する

物理演算のシミュレートと聞くと、何やら取っつきにくくて手間がかかりそうに感じますが、Blender 2.8ではモディファイアーを追加してタイムラインを進めてやるだけで簡単に物理演算の結果をメッシュに反映する事ができます。

今回はクロスシミュレーターでリボンを垂れ下がらせてみます。

先ほど作成したリボンのメッシュを、細分化するなり自分でループカットするなりして、頂点数を細かく増やしておきます。

オブジェクトのモディファイアー追加で、「シミュレート」→「クロス」を追加して、タイムラインを進めて見るとリボンのメッシュが落下していき、物理演算の重力が働いているのが確認できます。

クロスシミュレートでは固定グループという項目に頂点グループを設定する事ができ、リボンの動かしたくない真ん中部分の頂点グループを作成して登録する事で、リボンを垂れ下がらせて自然な変形を行う事ができます。

クシャクシャに変形し過ぎてしまうといった場合には、「剛性」の設定項目にある「引張」、「せん断」あたりの値を1000くらいに大きくすると形状を保ちます。

作成した結び目、飾り紐のリボンを配置していく

上記の方法でリボンを幾つか作成し、結び目となる部分に配置して水着の形状は完成としました。

UVマップの作製とテクスチャの適用

現状ではベースカラーで表示されているので、水着のメッシュをUV展開して柄のテクスチャを適用していきます。

テクスチャの読み込みとUV展開

ワークスペースを「UV Editing」に切り替えて、左側UVエディターに水着の柄にしたいテクスチャーを読み込んだら、右側3Dビューポートで編集モードにして切り分けたい部分にシームを付けたらUV展開していきます。

UV展開の方法に関しては、通常の展開の他に「ビューから投影」で3Dビューの見た目通りにUV展開する方法も便利です。その場合、UVエディター上でしっかり形の出ている部分をPキーでピン止めして、再び通常のUV展開を行う事で重なって見えない部分も連なって整列される場合があります。

今回大半の部分はアドオンの「TexTools」の「Rectify」で均等な矩形に整列する事で上手く出来たと思っています。

Rectifyでも表示に違和感が出る場合は、手動で頂点を動かして調整します。

マテリアルノードの作製

作成したUVマップとテクスチャをメッシュに反映させるため、ワークスペースを「Shading」に切り替えてマテリアルを新規作成、マテリアルノードを下記画像のように繋ぎます。

水着の皺を作製する

水着のハイポリを用意してスカルプトで皺を作製、ベイクしてノーマルマップを作製して元のモデルに頂点を増やす事なく皺を追加していきます。

水着のハイポリを用意する

水着のメッシュオブジェクトをShift+Dキーで複製し、モディファイアーの「サブディビジョンサーフェス」で頂点数をかなり多めに細かくします。

しかし、調子に乗って増やしまくるとPCがフリーズするの気を付けましょう(一敗

スカルプトで皺を作る

ワークスペースを「Sculpting」に切り替えたら、スカルプトで水着に皺を思うさま付けて行きます。

「Draw」ブラシが基本ですが、「Crease」ブラシの方向を「+ 追加」にして盛り上げる事でも皺を作りやすいです。

適度に「Smooth」ブラシでならしながら皺を作っていきました。

ハイポリをベイクしてノーマルマップを作製する

ワークスペースを「UV Editing」に切り替えて、アドオンの「TexTools」を使用してハイポリからノーマルマップを作製します。

TexToolsに関しては前の記事で導入から使用まで説明している投稿を紹介していますので、ぜひ見てみて下さい。

ハイポリをベイクする手順としてまず始めに、頂点数の少ない元の水着オブジェクトの名前に「_low」を付け、複製して頂点数を増やしてスカルプトで皺を付けた水着オブジェクトの名前に「_high」を付けます。

「_low」、「_high」がオブジェクト名に付く事で、「TexTools」がローポリとハイポリを判別してくれます。

_low、_highの順でオブジェクトを複数選択状態にしたら、UVエディター側のTexToolsで「Bake」ボタンを押します。

ベイクで作成したノーマルマップをモデルに適用して見た際に思ったように表示されない場合は、ベイクの設定項目にある「AA」の数値を増やしてみたり、Ray Distの値を増やしてみると上手く行く場合があります。

作製されたノーマルマップは「画像」→「保存」を忘れずにしましょう。

マテリアルノードにノーマルマップを適用する

ハイポリのベイクで作成したノーマルマップの画像を、マテリアルノードに適用します。

下記画像のようにノードを繋ぐ事で、ノーマルマップを反映できます。

作った水着を確認

ハイポリから作成した皺のノーマルマップも、問題無く適用されている事が確認できました。

これで仮で着せてた前回の白いのとはおさらばできました!

スポンサーリンク